【悩み相談2】


 わが子には敏感なところがあり、担任の先生にも相談して、付き添い登校したり、早退したりしています。ただ、子どもの気持ちに寄り添うことが周囲から見て「わがまま」や「甘え」にならないのか、多少は無理をさせて頑張らせたほうがいいのか気になっています。(小1男子の母)

【先生のアドバイス】
 HSCは不安が強く、新しい場所や人に慣れるのに、ふつうの子より時間がかかります。決してわがままや甘えたいという気持ちから、学校に行けないのではありません。ですから親御さんは大変でしょうが、本人が「もう大丈夫だよ」と言えるようになるまで付き添ってあげてほしいと思います。

 無理に頑張らせてしまったり親の判断で急に手を離してしまったりすると、どこかで必ず揺り戻しが生じます。たとえ頑張れたとしても、ギリギリの状態でやっている子も多くいます。たまに早退することでその都度回復して通えていたのに、無理をさせてしまったがために、心がぽっきり折れてしまう。そうなると元に戻すのが非常に難しくなります。

 また、HSCについて、正しく理解する人を増やすことも必要です。担任の先生だけでなく機会があればクラスメートにも「みんなと同じようにしたくてもできない、繊細で敏感な優しい子がいる」ことを伝えましょう。

【悩み相談3】
 朝、支度をしていると、「国語で作文を書くんだけど、どうやって書けばいいのかわからなくて不安」。図工を楽しみにしつつも「時間通りに終わるかな。絵の具セットはどこに置くの?」などと心配になっています。とにかく不安が多いようで、毎朝学校に行くまで大変です。(小1女子の母)

【先生のアドバイス】
 あらゆる可能性を慎重に考えるため、行動を起こすまでにほかの子よりも時間を要するHSCの子は、何かと不安を抱えやすいものです。そこで、あらかじめ習うことの見通しを伝えておくことが大事になります。「いつ、どの授業で、何を、どんなふうに習うのか」という情報を、事前に担任の先生に聞いておいて、親御さんからお子さんに伝えるといいでしょう。学校でも先生に具体的に支援をお願いしましょう。「それなら行けそう」「明日は行かない」「この授業だけ出て早退する」など、子どもも判断しやすくなります。

 さらに、学校に行けそうなら、少し面倒に感じても前日に授業内容を確認するためにリハーサル(予行練習)をしておくとよいでしょう。そうすることで、登校前のパニックを防ぐことができます。「安心」「見通し」「手だて」の三つの対策が大切です。

(取材・文=高橋亜矢子)

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高橋亜矢子
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