■「帰りの通学路」「説明会の保護者の服装」から情報は得られる
一方、自分で収集した情報を頼りに志望校を選び、無事に入学を決めた例もあります。
Dさんは、受験を決めた4年生の早い段階で、数十校の学校のパンフレットを取り寄せました。最初から選択肢を狭めないようにと、共学や別学、宗教系であれば宗派などにこだわらず、家から通える範囲の学校をセレクト。フィーリングが合うかどうかを確かめたそうです。
「『グローバル化』『リベラルアーツ』などキャッチーな言葉は、案外どこでも書かれているので、生徒や先生の写真の表情や雰囲気に注目しました。運動部の子どもたちの写真が載っていましたが、あまりにもハツラツとしすぎていて、インドア派のわが子とはちょっとそぐわない印象を受けて受験校から外したりしました。実際に運動部に入る予定はないのですが、関係ない部活だからとスルーするのではなく、これをパンフレットに選んだ学校側の意図を考え、受験校にするべきかどうかの材料にしました」(Dさん)
また、「説明会に行く際は雰囲気にのまれないように心がけた」と言います。こちら側は興味があって出向くうえに、学校側はいいところのみをアピールをしてきますから、よく見えるのが当然です。
Dさんがチェックしたポイントは、学校側が意図的に発信する情報以外の部分でした。踊り場などにある掲示物が剥がれてはいないか、掃除が行き届いているか、植え込みの花が枯れたままになっていないか、など厳しい目で観察したそうです。
「オンライン説明会では、通信障害や音声トラブルなどがあった際に、校長先生が嫌な顔で身内に確認を求めたりしているのを見て、その学校の体質が透けて見えた気がしました。憧れの学校であれば余計に、ひいき目で見ないように心がけました」(Dさん)
また、説明会に集まった保護者の服装も観察したといいます。ジーパンにサンダルのようなカジュアルな格好をしている家庭が集まる学校もあれば、紺のスーツ率が高い学校もあり、それにより、入学後の親との付き合い方が想像できます。
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