「中学受験において、ママ友からいい影響を受けた、という話はあまり聞きませんね。それは、ほとんどが個人的な感想を述べているのであって、相手のためを思っている話ではないからだからでしょう」と西村先生は言います。他人からの情報は、常に「その人の感想よりも事実に着目すること」「事例が一般に通用するものかどうか」を精査しながら聞くようにすると、惑わされることが少なくなるとアドバイスします。

■数あるネットの情報を読み漁ることで、不安が増していった

 家庭教師のブログや、わが子の受験をつづった親のブログなどを多数愛読していたBさん。「算数はこれができないとまずい」「国語の読解力を上げるにはこの参考書が必須」などの情報を見るたびに、「うちの子にもやらせなければ!」と焦り、「これをやりなさい!」「他の子はこんなこともすでに覚えているわよ!」と、息子を急き立てていたと言います。

「もし、成績が上がらずつまづいていると感じるのであれば、それは、何かの問題集をやっていないからではない」と西村先生は言います。

「塾に行っているのであれば、問題が足りない、なんてことはないんです。そういうことではなく、勉強のやり方が違っているか、子どものマインドの問題であることが多い。モチベーションが低下していたり、親子関係が悪かったりすることで、伸びるものも伸びないということが考えられます」

 同様にネット情報との付き合い方を後悔するのがCさんです。Cさんは中学校の掲示板サイトで口コミ情報を収集し、その情報を頼りに志望校を決めました。

「しかしいざ入学すると、実態と口コミ情報にかなりのズレがあることがわかり、騙されたような気分に陥ってしまいました」(Cさん)

 いじめの有無や先生の対応などは、書き込んだ生徒や親の感じ方一つで書く内容が変わります。また、悪意ある人が一人いれば、事実ではない意見を複数投稿することも可能です。「我が子が成績上位層にいて、友達と楽しく過ごしていればいい学校と感じますし、逆であれば、期待はずれの学校と感じるのが人間です。ですから、書かれている情報がそのまま我が子に当てはまるとは言えません」(西村先生)。口コミ情報を鵜呑みにしてしまうのは危険ということになります。

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