スマホやSNSの活用が推奨される一方、アナログ世代の親にとっては「スマホ脳 」やSNSトラブルも心配です。自身も小学生の母親である、成蹊大学客員教授でITジャーナリストの高橋暁子さんに、使いこなすコツを聞きました。発売中の「AERA with Kids」夏号から一部抜粋します。
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家族で外出する移動中や夕飯の用意のとき、子どもがYou Tubeやゲームで遊ぶことに親 が罪悪感を持つ必要はありませんし、子ども向けに作られた良質なコンテンツはたくさんあります。 とはいえ、「制限なしで『ご自由にどうぞ』はNG」と高橋さんは指摘します。そもそもYouTubeも TikTokも、利用規約の推奨年齢は13歳以上。YouTubeは保護者の許可を得た上で利用でき、子どもの行為については保護者が責任を負うことになります。 まだ判断力のない小学生にとっては「練習期間」だと思って、親は子どもが見る動画やゲームを把握することが大切です。
なぜ子どもには制限が必要なのでしょうか。大まかに二つの危険があるからです。一つは依存症。いま、スマホ依存が脳に悪影響を及ぼす「スマホ脳」も指摘されています。「特に子どもの前頭葉はストッパーがかからないので、非常にハマりやすい」と高橋さん。「YouTubeやオンラインゲームはビジネス上、長時間使用や何度もログインさせる仕掛けになっています。放っておいたらやめられないのは自然なことなんです」。だからこそ、自分で終わらせるセルフコントロールができるようになるまでは、制限時間を設けることが必要です。
もうひとつの危険は、ネットリテラシー問題です。警視庁によると、2019年にSNSの利用で事件に巻き込まれた 18歳未満の子どもは2082人で過去最多。 最も多いのは高校生ですが、小学生も前年比17人増の72人と、年間で5倍になりました。「子どもが一人でインターネットを利用するようになっても、親は目を離さないように」と高橋さん。何にも考えずに自分や友達の個人情報を勝手にさらすことで、被害者側にも加害者側にもなり得ることは、大人が教えなければ子どもは分かりません。
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