こういったリスクを回避するために、家庭内で「デジタルルール」を作ることが有効です。ルールによって子どもの判断力を養い、いずれは「他律」から「自律」を 目指します。

「親が分からないから利用させない、あるいは野放しにするのではなく、デジタルネイティブ世代の子どもがSNSやスマホに消費されるだけでなく、うまく使いこなすツールにしていくために、メリットとデメリットを一緒に学ぶことが大切です」(高橋さん)

【Q&A】

Q.スマホデビューの前にしておくことは?

A.スマホデビューの低年齢化が進み、小学生でも4割が所持しています。大体の子どもは友だちから影響を受けて、やりたいアプリがあるから持ちたいと言う。否定するのではなく、どんなアプリをどのくらいの時間使うのか親子で話し合いましょう。年齢によっては、そのアプリに危険がないか親の判断が必要です。

Q.機能制限はどこまで必要?

A..有害サイトや犯罪・トラブルから守るために、初期は「フィルタリングサービス」を設定したほうが安全。携帯電話事業者が提供する「あんしんフィルター」は年齢に合わせて機能や時間を制御できて、あとからでもつけられます。徐々に緩めていけば判断力を養う練習にも。とはいえ、親の目が一番の抑止力です。

Q.YouTubeやゲームを始めたらやめられない!

A.低学年の子には「外で遊ぼう」「友達に会いにいこう」と場を変えることが有効です。中高学年なら声かけを。ボイスチャットでゲーム中に「ご飯だよ」「明日の用意できた?」と声をかけると相手にも聞こえるのでやめやすい状況になります。基本的に、習い事や趣味など、子どもがほかに熱中できることがあれば自然とゲームやYouTubeを見る時間は減ります。考えたくないことから逃げる手段になっている子どももいるので、その場合は対面で話す時間を作ってみてください。

Q. ゲームの課金について、なんて言えばいい?

A.頭ごなしに否定すると隠れて課金するようになるので、課金したいときは親に言うというルールを作るといいと思います。課金したいと言われたら、ゲームは課金したくなる仕掛けになっていることを伝えた上で、なぜ課金したいのか聞きましょう。自分が貯めたお年玉などを使って、お金の管理の勉強にするのも手です。

Q.TikTokはどう管理するの?

A.子どもの出会い系被害の一つに、動画にコメントしてDMを送り、呼び出すという手口があります。コメントを受け取らない設定にするか、やりとりOKなら親も一緒に見る。TikTok提供の「ペアレンタルコントロール(保護者管理)」機能でDMの受信範囲を設定することが有効です。

(編集部・塩見圭)

※「AERA with Kids」2021年夏号より。そのほか誌面ではオンラインゲームの注意点や、ネットリテラシーの育て方、LINEなどの文章コミュニケーションの教え方、家庭内デジタルルールの例なども紹介しています。

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2021年 夏号 [雑誌]

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塩見圭
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