子どもの頃、大嫌いだったピーマンも、恋人がおいしいピーマンの肉詰めを作ってくれたら、それからピーマンが好きになったというようなことはいくらでも聞くことです。たとえ自分の息子であっても、人の食べ物の「好き嫌い」など気にしないほうが賢明です。「好きなもの」「嫌いなもの」は、誰にだってあるものですし、育った時代も、環境も違います。息子さんを無理して矯正しようとすると、前述した「会食恐怖症」の例のように、後に精神的代償が大きくなってしまうこともあるのです。食事は、体だけでなく心の栄養です。楽しく頂きましょう!

【まとめ】
物事に固執せず、しかし散漫でもない、「中庸」であることが大事。完食を強要せずに楽しく食事しよう

山口謠司(やまぐち・ようじ)/中国文献学者。大東文化大学教授。1963年、長崎県生まれ。同大学大学院、英ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。NHK番組「チコちゃんに叱られる!」やラジオ番組での簡潔かつユーモラスな解説が人気を集める。2017年、著書『日本語を作った男 上田万年とその時代』で第29回和辻哲郎文化賞受賞。著書や監修に『ステップアップ  0歳音読』(さくら舎)『眠れなくなるほど面白い 図解論語』(日本文芸社)など多数。母親向けの論語講座も。フランス人の妻と、大学生の息子の3人家族。

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山口謠司
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山口謠司(やまぐち・ようじ)/中国文献学者。平成国際大学新学部設置準備室学術顧問。大東文化大学名誉教授。1963年、長崎県生まれ。同大学大学院、英ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。NHK番組「チコちゃんに叱られる!」やラジオ番組での簡潔かつユーモラスな解説が人気を集める。2017年、著書『日本語を作った男 上田万年とその時代』で第29回和辻哲郎文化賞受賞。著書や監修に『眠れなくなるほど面白い 図解論語』(日本文芸社)など多数。2021年12月に監修を務めた『チコちゃんと学ぶ チコっと論語』(河出書房新社)が発売。ラジオパーソナリティ、イラストレーター、書家としても活動。フランス人の妻と、大学生の息子の3人家族。

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