「こうしたご家庭は、職業選択や大学だけは子ども本人に決めさせたい。そのときに受験に耐えうる学力がついているか。そうした観点で小学校を選びます」(吉岡理事)
「受験校」と呼ばれる私立小の多くは進学実績をホームページで公開している。親や子が「お受験」で選抜される一方で、学校も親たちに「この小学校こそ」と選ばれなくてはならないのだ。
■「受験校」にもさまざまなタイプがある
吉岡理事は、「中学受験に有利か」という軸で人気が高まっている私立小学校として、洗足学園小のほかに、5年生までに6年間の学習カリキュラムを終わらせて、6年生から受験対策が始まる品川翔英小学校(東京都品川区、小野学園から2020年に改称)や、「高い学力」を掲げ、ICT(情報通信技術)教育も先進的な宝仙学園小学校(東京都中野区)を挙げる。
ほかにも、クリスチャンスクールである目黒星美学園小学校(東京都目黒区)は、5年生から男女別のクラス編成となり、男子の難関中学への進学実績が高いのが特徴だ。
「意外かもしれませんが、目黒星美学園小は中学受験のための先取りカリキュラムは組んでいません。学校では情操教育で心を育み、受験勉強は塾で、といったすみ分けスタイルが支持されています」(吉岡理事)
穏やかでのびのびタイプの男子が多いという。
中学受験を見据えた小学校選びといっても、幼少のうちから12歳に成長したわが子の姿を想像するのは難しいかもしれない。先入観にとらわれずに、子どもに合った学校を探したい。
(文/柿崎明子、澤田聡子)
※『AERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2022」の内容に加筆し再構成しました
【AERA English特別号】英語に強くなる小学校選び 2022 (AERAムック)
朝日新聞出版
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