「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。
【ランキング】偏差値50台で国公立大学に強い中高一貫校は?連載9回目の今回は、まさに偏差値にとらわれずに「我が子にあった学校」を選んだものの、どうしても悩みが消えないお母さんからの相談です。
■偏差値が高いことに、何の価値があるのか?
矢萩:まず塾の先生が「少しでも上を狙った方がいい」ってどういう意味で言ったのか、ということを考えたほうがいいですよね。娘さんの性格や性質をちゃんと理解した上で、将来を見据えて「いい」学校があると言っているのか、単に偏差値という数字だけの話をしているのか。
安浪:そうですね。偏差値が高い=入試問題が難しい、という文脈で言うならば、勉強していく上での目標として設定するのはありだと思います。ただ、「受かる可能性があるから受ける」って言うのは、なんだかよくわからないというか……。
矢萩:その先に6年間の学校生活がある、ということが丸々抜けちゃっている。
安浪:「偏差値が高い」ということの何に価値があるのか?ということですよね。そこをちゃんとこの塾の先生から聞けているのかも気になります。
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