「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。連載10回目の今回は、子ども主導で中学受験塾に行き始めたものの、小6を前に不安になっているお父さんからの相談です。
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■始めたら途中で降りられなくなるのは「悲劇」
矢萩:僕はこの質問者さんの家庭は非常に理想的な環境だな、と思いますけどね。子どもに主導権を与えて始めてみました。でも「6年生になってみたらキツい」「今はやっぱりもっとお友達と遊ぶ時期が欲しい」と娘さんが言ってきたら辞めてもいいんじゃないか?って思っているわけですよね。
安浪:そうですね。中学受験のコンテンツってシンプルに、量と難度が4年から5年になると2倍、5年から6年なると2倍に増える、って言われるんです。だから4年と6年では4倍以上の開きがある。子どもも成長するとはいえ、かなりキツイのが事実。でも一度始めると多くの親御さんが途中で降りられなくなる。ここに中学受験の悲劇があります。
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