新型コロナウイルスの感染が急拡大するなか、1月10日から埼玉県、20日から千葉県の私立中学校で入試が始まりました。埼玉の学校では志願者が前年より1割ほど増加した一方、千葉では減少した模様です。2月1日から始まる東京都・神奈川県での中学入試を占うともいわれる埼玉・千葉と地方校の首都圏会場入試の志願者動向についてみていきましょう。
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今年の中学入試では埼玉の学校が志願者数を伸ばし、千葉では減少している。その要因を、首都圏模試センター取締役教育研究所長の北一成さんはこう話す。
「東京・神奈川の中学入試初日は2月1日。埼玉の入試日程とはおよそ20日間、千葉とは10日間ほどの開きがあります。東京・神奈川の学校が本命の受験生が、埼玉の学校を腕試しに受験した際、万が一コロナに感染してしまっても、20日間あれば回復の見込みがあります。一方、千葉の学校は本命まで10日間しかないので、万が一そこで感染してしまうと厳しい。そういった日程を考慮して、東京や神奈川の学校が本命の受験生の力試し受験が、埼玉の学校へと流れたのが一因と考えられます」
■「日本一受験者が多い」中学は過去最多の志願者
例年、初日に6000人以上が受験し「日本で一番受験者が多い」と言われる栄東(埼玉県さいたま市)は、コロナ対策として昨年と同様、初回の入試を分散し2日間に分けて行った。コロナの感染者数が日に日に増加する中で迎えた入試だったが、ふたを開けてみると1月10日の志願者数は4709人、11日は2320人と昨年を上回り、全日程を合わせた総志願者数は1万2000人を超え過去最多に達した。北さんは、その理由を次のように話す。
「栄東は昨年同様、今年も万全の対策を行って受験生を迎えています。それが受験生に安心感を与えるとともに、好感を呼んだのでしょう」
そのほかにも大宮開成(埼玉県さいたま市)が、志願者数を昨年の3316人から4436人へと大きく伸ばした。
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