とある4年生の先輩がとんかつをおごってくれたのですが、「ぼくらは1年以上実験を続けて失敗しているのに、君はたった数日でそんな反応を引き当ててずるいよ」と泣き始めちゃったことを覚えています。本当に運と縁のタイミングが重なった偶然の発見でした。高校生の未熟な僕に親切にして下さった広島大の先生方には本当に感謝しかありません。

――最終的には、空からエネルギーを生み出す「そらりん計画」でロケットをつくり、火星に住むおつもりだそうですね。火星にたどり着いたらまず何をしたいですか?

 火星の重力は地球の3分の1ぐらいなので、かなり飛ぶはずなんですよ。宇宙船のハッチを開けて、びゅんっと飛んで空中で1回転して、背中から地面にどさっと落ちて、人類で初めて火星にたどり着いた喜びを、あおむけのままかみしめます。ふと上空を見ると、大気の関係で青く輝く夕日が。そのあとは雄たけびを上げながらその場を走り回って、足跡をつけまくります。それから電波のいいところを探して、YouTubeライブを始めて「地球の皆さんこんにちは、火星人です」と自己紹介します(笑)。将来的には火星にいろんな都市国家をつくりたいですね。資本主義が行き過ぎた国、みんながゆるゆると暮らしている国……様々な都市国家を作って社会実験してみて、良かった国の制度を地球に持っていきたいです。

(構成/白石圭)

火星に住むつもりです ~二酸化炭素が地球を救う

村木 風海

火星に住むつもりです ~二酸化炭素が地球を救う
著者 開く閉じる
白石圭
白石圭
前へ
4/4