忘れ物を持っていってあげるのは甘やかしになるか?ならないか?
よく「恥ずかしい思いや、痛い思いをさせたほうがいい」という親もいますよね。親野先生の答えは「持っていってあげていい」。
そもそも「痛い思いをさせれば直る」という“自業自得方式”は実際には直らないケースがほとんどだそう。
さらにこの“自業自得方式”の悪いところは、子ども自身も周りに対して“自業自得方式”を身につけてしまい、きょうだいや友だちに応用してしまうところ。
例えば、隣の子が消しゴムを忘れて困っていたら「自分で忘れたんだから、困ってみたら」と見て見ぬふりをしたり。厳しいしつけをしすぎると、子ども自身も周りに優しくできなくなる、という弊害があるのです。
親野先生の代表作『「自分でグングン伸びる子」が育つ親の習慣』(P HP文庫)にはしょっちゅうダメ出しをされたり、叱られたりして親への信頼感が満たされなくなると、他者一般にも基本的な信頼感が持てなくなり、周囲に対して優しい行動ができなくなるメカニズムが書いてあります。
新学期になったからといって、子どもは急に変わるわけではない。たとえできないことがあっても、子どもが悪いわけでも、まして親の子育てが悪いわけでもない。多くの子育て本の著者はそう語っています。
新しい環境になった時こそ、子どもは不安になり、親に甘えてくることもあります。そのような時はなるべく時間を取って、話を聞いてあげましょう。
「子どもの話を聞き、共感する」。この行為によって子どもは親からの愛情を感じる。これはたくさんの本に書いてある「子育ての基本」の部分です。
(文/教育エディター・江口祐子)
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