自分の気持ちやからだを優先

――どのように行動を変えたのですか?

 まず、自分が食べたいものを食べるということです。それまで食べるものを選ぶときは、食べたいものではなく、カロリーが低いことを優先していました。でも自分の気持ちをまず聞くことにしたんです。カレーが食べたければ、食材を買いに行って自分で作るとか、手間をかけることも意識しました。あとは、胃腸が疲れているときにはうどんにする、からだが冷えているときには温かいものを食べるなど、自分のからだの状態にも意識を向けるようになりました。そうしたら、心もからだも満足するようになって、普通の1食分ですむようになったんです。

 また、自分を否定したくなるようなものや情報からは距離をおくようにしました。一番痩せていたころに着ていた洋服をとっていたのですが、プレッシャーになるので処分しました。テレビやネットニュースなどで流れてくるダイエット情報も見ないようにしました。行動を変えて半年くらいたって久しぶりに体重計に乗ったら、6kg減っていたんです。自分を受け入れることにしたら、過食がなくなり、自然と体重も減りました。

――色んな人のプロフィール写真を見たことをきっかけに、そこまで変われたのはすごいですね。

 ずっとしんどかったので、変わるきっかけを探していたのだと思います。一度ありのままの自分を受け入れてみたらどうなるんだろうって、実験をするような感覚でした。

――プラスサイズモデルをやられるようになったのは、その頃ですか?

 過食が治ってから、ぽっちゃりしている女性に対する世の中の偏見が強いことに気づいたんです。偏見をなくすにはどうしたらいいだろうと考えていたときに、ちょうどご縁があって「ラ・ファーファ」(日本初のぽっちゃり女子向けファッション雑誌として2013年に創刊、2024年に休刊)の1号目からモデルを務めることになりました。表に出る仕事なのでプレッシャーはありましたけど、応援してくれる読者の方が出てきて、経験を重ねていくうちに取り繕わなくても大丈夫だと思えるようになっていきました。

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