それに、痩せてからも彼に食べたものをメールで送らないといけないとか、少しでも太ったらダメ出しをされるとか、厳しく管理されていました。

否定していたのは自分自身だった

――体調面はどうでしたか?

 体調は悪かったですよ。生理が不規則になって、貧血でいつもフラフラしていました。メンタル面もイライラしたり、うつっぽくなったりして。朝体重を測って、前日より少しでも減っていたら、その日は一日中嬉しいし、増えていたら一日中落ち込んでいるし。ダイエットが生活のすべてでした。

――不調に対しての危機感はなかったですか?

 当時はダイエットのせいだとは思っていなかったです。生理が不規則なのはまだ10代だからかな、くらいに考えて病院に行くことも思いつかなかったです。ただ、あるときふとお菓子を食べたら、食欲が止まらなくなってしまって。家にあるものを全部食べる勢いで食べつくして、1カ月で10kgくらい太りました。さすがにおかしいと病院に行ったら、医師からは「彼氏と別れなさい」と言われて、精神安定剤を処方されました。でもどうして彼氏と別れないといけないのかわからなくて、1回受診しただけで終わりました。

 その後も常に過食というわけではないのですが、仕事や人間関係でうまくいかないときに過食するということを繰り返しました。仕事帰りに我慢できず、コンビニで買ったものを駅のトイレで過食するということもありました。

――どうやって克服したのですか?

 仕事も長続きしなくてちょこちょこ変わっていたのですが、25歳くらいのときに出版社で色んな人のプロフィール写真を整理する仕事をしたんです。体型も顔も一人ひとり全く違う人たちの笑顔の写真を見て、「ぽっちゃりしていても幸せに生きられる道はあるのかもしれない」と思ったんです。それまでの私はぽっちゃりしている人はだらしないなど、ネガティブなイメージしかありませんでした。しんどかったのは、自分が自分を否定していたからではないかと気づいて、一度ありのままの自分を受け入れてみようと行動を変えていきました。

次のページへ自分が食べたいものを食べる
1 2 3 4