2位には、屈指の女子進学校である豊島岡女子学園(東京都豊島区)が選ばれました。1892年設立の女子裁縫専門学校が前身で、1948年に現在の校名に変更されました。毎朝5分間、1メートルの白布に赤糸をひたすら通す「運針」が伝統になっています。2018年からSSHに指定されており、2023年からは第2期の指定を受け、探究的な活動として、高1全員と高2の理系の生徒はサイエンスをテーマに課題探究に取り組みます。2015年にモノづくりプロジェクトとしてスタートした「T-STEAM:Pro」では東京電機大などの協力のもと、校内の希望者に加え他校のチームも参加してロボットの製作や競技会などを実施しています。2025年度の大学合格者割合を系統別に見ると、最も多いのが理工・工学系で27.1%、次いで医学系(医学科)17.0%となっており、難関大の理工系学部や国公立・私立の医学部に、毎年数多くの合格者を出しています。
3位は、芝浦工業大附(東京都江東区)です。1922年開校の東京鉄道中学を母体に1954年に芝浦工業大学高校となり、1982年に中学校が開校、2021年に共学化しました。2017年に現在の校名となり芝浦工業大のキャンパスがある豊洲に移転、中1から同大学の全面協力を得てさまざまなものづくり体験の特別授業を実施しています。また理工系教育として、理系教科だけでなく国語や英語、音楽などすべての教科と科学技術とのかかわりを学ぶ「ショートテックアワー」の授業や、中3では隔週2時間の特別授業として、多様な理工系の専門分野に親しむための「サイエンス・テクノロジーアワー」プログラムを実施。天体望遠鏡の製作や、ガラス細工でのピペット作りなど、幅広い分野の実験やものづくりを通して生徒たちの興味や関心を引き出しています。
上位10校のうち、理系大学の付属校が4校ランクインしています。「理系大学の付属校では、高大連携教育として、大学の教員による出張講義があったり、大学の施設や設備の見学や利用が可能だったりと、大学レベルの理数教育に触れる機会が多くあります。こうした教育は、生徒の興味や好奇心の幅を広げる効果があります」(大野さん)
次のページへ上位に女子校が多くランクイン