幼児期のりりあなさん(本人提供)

 タブレットよりも、紙の本。からだの「感覚」を使って読むのが大好きなんです

――本はどんなふうに選んでいますか?

 私は好奇心が旺盛で、いつも「あれをやってみたい」「これはどんなことなんだろう?」と考えているタイプなんです。そこで、興味のあるワードを検索してみると、関係する本が上がってきます。するとすぐに読みたくなって、お母さんにお願いするんです。

 学校では司書の先生や友達におすすめを聞くこともあります。以前、お仕事で作家の岸田奈美さんにお会いしたときは、とてもやさしくてお話が楽しい岸田さんの本が読みたくて『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(岸田奈美/著、小学館)を買ってもらいました。こんなふうに、お仕事から本に出合うこともあります。

 最近、学校でもタブレットで本を読めるようになりました。でも、私は紙のほうが好きなんです。紙は、私が生まれるずっとずっと前からあるもの。昔の人とのつながりや、歴史を感じられるような気がするんです。それに、紙だと作者さんの思いがより伝わってくるようで……。

 ダンスを踊ったり、詩や文章、絵を描いたり、声を出して本を読んだり。私は自分の「感覚」を使うことが大好きです。私は、本の紙のにおいや、ページをめくるときの感触も好き。何度も読み返してぼろぼろになった本は愛着を感じるし、いたずら書きにもそのときの思い出がよみがえります。紙の本の魅力は、話しても話したりません(笑)!

習い事に励むりりあなさん(本人提供)
習い事に励むりりあなさん(本人提供)

<笹沼颯太のつぶやき>

「ヨンデミー」では「読書家のワザ」を七つ提案しています。そのうちのひとつに「認める」というものがあります。本の中に書いてあることを、いいことはもちろん、自分には都合の悪いことも「認める」こと。でも、これはなかなか難しい。なぜなら、自分の間違いを認めることは勇気もいるからです。でも、りりあなさんは「認める」ワザを使いこなしています。9歳の若さにして「本は人生に役立つもの」と確信しているのもすごい。今から将来が楽しみですね! Yondemyが運営するPodcast番組『おうち読書のミカタラジオ』でも対談の感想や本の読み方のアドバイスなどを配信しています。 

(構成/三宅智佳)

※後編<泳力、ヒップホップ、マナー… “検定好き”9歳の子役・大野りりあなが次に受けたい「意外な」ものとは?>に続く

【後編はこちら】泳力、ヒップホップ、マナー… “検定好き”9歳の子役・大野りりあなが次に受けたい「意外な」ものとは?
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笹沼颯太
笹沼颯太

Yondemy(ヨンデミー)代表取締役。筑波大学附属駒場中学・高校時代に英語の多読塾で指導を受ける。東京大学経済学部経営学科に進み、3年生で中高時代のスキルを活かして友人3人と読書教育サービス「ヨンデミー」を設立。起業や会社の経営、営業、運営のすべてを「本から学びました」と語る。著書に『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

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