AI「禁止」ではなく「どう使うか」へ

 こう聞くと「生成AIの利用自体も禁止されるのでは?」と思うかもしれません。

 しかし、小松原さんの長女が通うシリコンバレーの公立中学校では、生成AIツール「MagicSchool(マジックスクール)」が、学校から配布されるパソコンで積極的に活用されているといいます。

「マジックスクールはディベートの練習相手になってくれたり、特定のテーマに関するアイデア出しやリサーチ、参考文献リスト作成などを手伝ってくれたりします。メールの文面チェックや、おすすめの本を提案してくれる機能もあります」と小松原さん。

 先生たちも、レポートや作文のフィードバックにAIを活用し、業務の効率化にもつなげています。

家庭ではAIやデバイスとどう向き合う?

 目まぐるしく進化するテクノロジー。家庭内ではどう付き合っていけばよいのでしょうか。

「子どものデバイスの利用時間については、やはり悩みますね。シリコンバレーの親たちの間でもよく話題にのぼります。わが家では、『夜8時以降は使わない』という大まかなルールは設けていますが、完全に禁止するのは現実的ではありません。それより、私自身が新しい技術に積極的に触れて『これ、おもしろいよ!』と子どもたちに見せたり、一緒に試したりすることが多いですね」

 いま、小松原さんと長女が夢中になっているのが「Greenlight」という子ども向け金融アプリ。このアプリでは親が送金したお小遣いを、子どもが「使う」「貯める」「投資する」などのパーセンテージを自分で決めることができます。貯金には利息もつくし、実際に投資もできる。家のお手伝いをタスクとして設定し、完了すると報酬がもらえる機能もあるとか。デビットカードまで発行でき、お金の価値やしくみをゲーム感覚で学べるのが魅力的です。

 また次女(小2)はお絵かきアプリ「Simply Draw」がお気に入り。アプリ内のお手本を見ながら、影の付け方などを練習していて、描写力がぐんぐん伸びているといいます。こうした楽しい体験こそ、AIやアプリを「学ぶためのツール」としてとらえるきっかけになりそうです。

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