最初は続けるかわからないけど室内競技だし、礼法も身につくので体操教室の延長のような感覚で始めたのですが、先生方や道場の仲間たちのおかげでみるみる魅力にハマっていき、楽しく続けています。

 ママみたいな仕事をしたい、と言う子は今のところおらず、長男なんて、私がモデルをしていることに気づいたのは小6のときです。私が表紙の雑誌をコンビニで見つけて、初めて知ったと言っていました(笑)。

 いろんな意味で、わが家は夫が中心です。家にいる時間は短くても、子どもたちは父にあこがれて、父の姿を目指しているのだなと感じます。

ストイックに柔道に打ち込む長女、全力で応援したい

――長女さんは春から高校生。少し手が離れて子育てもラクになるのでは?

 それがですね、別の意味で大変な時期に入っていまして……。

 長女は本気で柔道に打ち込んでいるので、親のサポートがめちゃくちゃ必要なんです。朝練もはもちろん、土日も練習や遠征、合宿があったり、体づくりも大切な時期なので車の中で少しでも寝かせてあげたい時は送迎もします。中には仕事を辞める人や引っ越しをする親御さんもいらっしゃるんですよ。そのくらい親子で二人三脚、真剣に向き合っています。

――東原さんのママ仕事は、まだまだラクにはならないのですね。

 長女はこれまで、まったくと言っていいほど手がかからない子でした。

 だからこそ、ここからの3年間くらいはがっつり手をかけてあげたい。長女の夢の応援をしたい。そのくらいは私にやらせてほしい、って思っています。

 休みの日も自分で起きて朝からランニングに行ったり、体のことを考えて食べないようにしているものがあったり、あると見たくなってしまうから、と、いらないアプリを自ら削除したり、15歳とは思えないほど我が子ながら見習うところがたくさんあります。

 でも、それほどまでに目指したい目標、やり続けたいものに出会えたことがすばらしいですよね。

 それに、スポーツを通じた人と人との関係にも感動します。

 試合に負けて悔しいときにも、親ではなく、まず仲間の元に行くのです。仲間と励まし合って乗り越えていく姿が見られることが、私にとっても幸せです。

 だから……勉強は、まあいいかな……って、自分に言い聞かせています(笑)。

さまざまな国の子たちとともに柔道に取り組む井上一家の子どもたち(提供)
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