授業外のフォローアップやキャリアプランの構築も
2位には同ポイントで駒込(東京都文京区)と桜丘(東京都北区)が選ばれました。
駒込は1682年創立の勧学講院を母体とする共学校です。最澄の「一隅を照らす」という言葉を建学の精神に掲げ、仏教修行体験の研修など、「人間教育」として仏教的情操教育を行っています。学習面では、教員が授業アンケートで生徒の声を聞き、授業改善や生徒の学習支援に生かしているほか、上級レベルの特別講習会や、振り返りが必要な生徒を指名して指導する指名補習、毎日の放課後に実施されている講義や自主学習のサポートなど、授業外のフォローアップも充実しています。
桜丘は1924年設立の和洋女子職業学校が前身で、2004年に共学化しました。「自立した個人の育成」を指導方針とし、社会で活躍できる人材を育てるため、中学校のうちから探究学習として、起業家精神教育や定期的な自己分析テストなどを実施しています。また、夢の実現をめざしたキャリアプランを中学校3年間で構築し、保護者へのプレゼンなどアウトプットの機会を定期的に設けています。
このように、学校によって指導方針や具体的な取り組みは異なるものの、面倒見が良いと評価されている学校は、生徒一人ひとりに寄り添った指導や、保護者との連携を大切にしていることが多いようです。
“面倒見の良さ”は学校選びの重要な指標の一つに
大野さんは「面倒見の良さが評価されているランキング上位の学校は、近年志願者が増加傾向にある」と言います。「子どもの自主性に任せきりの学校よりも、わが子に手をかけた指導をしてくれると思える学校のほうが、保護者としては安心感があるのでしょう」
中高6年間は非常に多感で、親との関係性も変化していく時期。子どもを安心して任せられる面倒見の良い学校が人気なのも、うなずけます。学校選びの重要な指針の一つになりそうです。
(文/白井裕子)