制服は必要か?議論のきっかけに
中学校の制服については、費用の問題だけではなく、LGBTQの生徒に対する配慮などから、そもそも必要なものなのか、制服のあり方そのものを見直す動きもある。
「現時点での子育て世帯の負担を軽減することを優先して、無償化を決めています。これを機に、制服は必要か不要か、自治体ごとに統一すべきか、といった議論が社会全体で広まっていくといいのではないでしょうか」(森澤区長)
品川区民の声はどうか。小学生から中学生まで3人の子を育てる女性は「中学生になると部活や塾、交際費などで小学生のころより費用がかかる。制服が無償になるというニュースを聞いて、率直にありがたいと思った」と支持する。一方、小学生と私立に通う中学生を育てる女性は「一律の助成金という形でもらえるとうれしい。制服代は学校や性別によって差があるし、もっと言えば区立、私立などの区別なく、支援してほしい。私立に行かせるからといって生活に余裕があるわけではない」と話す。
“朝の小1の壁”を解消
品川区では25年度から小学生の朝の居場所確保や朝食支援にも取り組む。まず3校の区立小学校で試行的に導入し、その後すべての区立小での実施を目指す。導入にあたっては、区独自の学童である「すまいるスクール」(学校内にある放課後の居場所)の全登録者約1万1500人を対象に、「朝の児童の居場所」についてアンケートを実施。回答者の約半分が利用を希望したという。
「“朝の小1の壁”と言われるように、朝早く仕事に向かう保護者と一緒に家を出て、校門で待っていなければならない、あるいは児童が留守番をして1人で家を出なければならないといった声が議会などでも上がっていました。都からの財政支援もあり、導入を決めました」
朝の居場所確保については、ほかにも導入する自治体が増えている。豊島区は2校での試行実施がすみ、今年4月からすべての区立小で本格的に実施される。杉並区や江戸川区も25年度中の導入を予定している。
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