遅生まれ・春 1
遅生まれ・夏 1.6(1.6)
遅生まれ・冬 1.5(0.8)
早生まれ   1.9(0.1)

 もちろん人数が少ないために確定的なことは全く言えませんが、「早生まれ」は0.1から、1.9へと大きな伸びをみせています。「遅生まれ・冬」も、約2倍の躍進です。その年の後半組が、最難関とされる男子校Aの高校受験で結果を残したことがわかります。ハンディが消えたどころか、脳の可塑性が伸びたために圧倒的に有利になったようにも思えます。他の学校でも同じような結果となるのか、ぜひ知りたいところです。

 東京大学大学院の山口慎太郎教授氏の研究の中には、「進学した高校の平均偏差値は、3月生まれは4月の遅生まれの子よりも4.5ポイント低い」というものがありました。しかし、個々の学校の特性によっては、「早生まれが有利」という結果が導かれうるということです

 算数・数学において、そもそも早生まれ男子のハンディが少ないということがわかっています。お子さんの特性と学校が求める生徒像がピッタリとマッチすれば、早生まれ族はその能力を存分に発揮できるのです。

中学受験で「早生まれ」の子の能力を伸ばすキーは自己肯定感 親にすすめる受験勉強への関わり方を脳医学者が解説
本当はすごい早生まれ

瀧靖之

本当はすごい早生まれ
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瀧靖之
瀧靖之

東北大学加齢医学研究所教授。東北大学スマート・エイジング学際重点研究センターセンター長。医師、医学博士、脳科学者。脳の発達や加齢のメカニズムなどを研究。著書に『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)などベストセラー多数。1児の父。

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