不登校や病気などで卒業式に参加できなかった人たちに向け、タレントの中川翔子さんらが企画したイベント「卒業式をもう一度」が23日、東京都中央区の浜離宮朝日ホールで開催されました。式には全国各地から集まった12歳から60歳までの29人が出席。中川さんが生徒たちに“卒業証書”を授与しました。
【写真】中川翔子さんが不登校経験者らに“卒業証書”を授与した「卒業式」の写真はこちら(全3枚)止まっていた時計の針を動かしたい
中川翔子さんは中学時代、いじめをきっかけに学校に行けなくなり、3年生の半年間を不登校で過ごしました。卒業式にも出ることができず、それが大人になってもずっと心残りだったといいます。そこで不登校ジャーナリストの石井しこうさんとともに、同じような経験をした人と「止まっていた時計の針を動かしたい」と考え、このイベントを企画しました。
イベントは「空色スクール」と題し、卒業式を含む3日間にわたる「フリースクール」として開校されました。中川さんの呼びかけで385 人の応募があり、そのうち青森から鹿児島まで、12歳から60歳までの約30人が参加。小学校で居場所をなくして不登校になった女性や、中学時代にひきこもりになった男性など、さまざまな背景を持つメンバーが集まりました。
「空色スクール」初日は、参加者が応募動機を語るオンラインのミーティング、2日目は不登校だった当時を振り返り「人生紙芝居」を作成しながら歩みを振り返るオンライン授業を開催。最終日となる3日目の今回、中川さんが“校長”を務める“卒業式”がおこなわれました。
新しく青春もできるし、夢を見つけることもできる
卒業式では、生徒たちが壇上で一人ひとり感謝の思いやメッセージを語り、中川校長から卒業証書を受け取りました。
「人生つまずいてきて、その都度何度も止まったりもした。でもいま、生きていてよかったと思えている。だからきっとみなさんも大丈夫」(60歳男性)
「中学2年のときに不登校になって、そのときはこの世の終わりだと思ったことを今でも思い出します。でも、つらいことは決して無駄ではなかった。決してあなたは一人ではない、頼れる大人を見つけてほしい」(36歳女性)
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