――お話を聞いていると、話し方が落ち着いていて、とてもしっかりしていると感じます。

 言葉づかいに関しては、小さいころから祖母や母がその場でていねいに教えてくれました。仕事の現場でも、マネージャーさんが名刺交換するのを見て、「ああ、こういうあいさつをするんだ」「こういう場面ではこんな言葉をつかうんだな」なんて勉強していました。

 あとは歴史が大好きなので、歴史の本をたくさん読んでいたことも役立っているのかもしれません。

――16歳にして、勉強や仕事、将来のことまでちゃんと考えて行動されています。忙しい中、自分をどのように律していますか?

 自分のことを、自分が好きでいることがいちばん大切だと思います。

 たとえば、学校には勉強やスポーツがすごくできる人がたくさんいます。たまにその人たちと自分を比べて「ああ、あの子はすごいな」とちょっと気持ちが下がることもあるんです。でも、がんばっているなにかがあると、「自分にはこれがあるから」ってブレずに前向きになれるんです。

 何事も、続けていることで自信になります。「人は人、自分は自分」と思えるには、自信はなにより大切です。自分を信じられないと、ほかの人も信じることができませんから……。僕にとって筋トレは趣味ですが、「自分を好きでいられる理由」をつくるために続けているという面もあるんです。

――大人ですが、とても勉強になります。

 そんな、とんでもないです。人と比べないために、比べても「自分は大丈夫」と思えるようにがんばっています。

 僕は自分でもかなりポジティブなほうだと思います。たとえば、テストで点数がよくなかったら、落ち込むより「あ、この勉強法は自分には合わなかったんだ」と思って、「じゃあ別の勉強法にしよう」と切り替えるだけ。できなかったことにとらわれてもしょうがありません。スパッと切り替えて試行錯誤してみるのも、きっとあとから振り返っていい思い出になるんじゃないかな……と思うんです。

(構成/三宅智佳)

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