小3のころ、母から『ある犬のおはなし』(トゥーヴァージンズ)という本をもらって読みました。動物の殺処分にまつわるお話なのですが、そこではじめて動物の殺処分のことを知りました。世の中には、悲しい犬や猫がたくさんいる。そのことをもっと知ってほしくて、僕も今、お仕事を通じて犬の保護活動などに参加させていただいています。

――心さん、2019年に『AERA with Kids』の表紙にご登場いただいているんです。そのときのインタビューでも「動物の殺処分があるということを知って、とてもショックでした」とお話しされています。

 本当ですか? そのころから、ずっと変わっていないんですね。今は、獣医など動物の医療関係について学べる方面への進学を意識しながら、目の前のことをしっかりがんばっていこうと思います。

『AERA with Kids 2019 春号』に登場した小学4年生当時の心さん(撮影/小山幸佑)

 でも……僕はせっかちなんです。自分が仮にそちらの方面の大学に進学できたとして、順調に進んでも獣医や動物看護師になれるのは最短で24歳。実際に行動をおこせるのは、うまくいっても24歳から。そこまで何もできないのは、僕は待っていられない。お仕事を通して、今から少しずつでも動物と関わっていきたいと思っています。

自分のことを自分が好きでいること。これがいちばん大切なことだと思います

――勉強に部活にと、高校生活をとても楽しんでいる様子。友だちと遊びに行くことはありますか?

 はい。学校はめちゃくちゃ楽しいです。オフの日に友だちとバスケやゲームをして遊ぶことも多くて……。こんなふうに友だちと過ごす時間も大好きなのですが、実はひとりの時間も好きです。

 たまに「この日はひとりの日」と決めて、ひとりで行動するんです。ひとりで巡って、それでよかったら今度は友だちと出かけます。ひとりで江の島に行って、江ノ電に乗ってぐるっとまわったこともありました。近場の渓谷やお寺にも出かけます。僕は自然派なんですね(笑)。

次のページへ続けていることで自信に
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