――放課後全児童対策とは、どんなものですか?

 個々の自治体が待機児童問題、つまり「小1の壁」対策としてすすめている施策で、「放課後子供教室」と「学童保育所」を一体型するというものです。

 放課後子供教室は、共働き世帯を対象にした「学童保育所」と違い、その学校に通う全児童を対象に、放課後の居場所を提供する事業です。実施時間は学校の施設が使える夕方5時ごろまでというところがほとんどで、開催頻度は週に数回程度、夏休みなどは実施していない地域も多いです。

 つまり、夕方5時ごろまでは「放課後子供教室」で全児童を受け入れ、5時以降は親が仕事などで出ている児童を対象とした「放課後児童クラブ(学童保育)」に切り替える。この対策をしている自治体は待機児童ゼロということになります。

――誰でも受け入れてくれるのはありがたいですね。

 ただ、この対策はその名の通り、入所を希望するすべての児童を受け入れるので、ここでもやはりぎゅうぎゅう詰めとなり、子どもがストレスをためやすいという問題も起きやすくなります。

待機児童を都道府県別にみると人口の多い都市に集中しているが、実際は市区町村別で大きな差がある
【続き】子どもが学童に入れなかったらどうすればいい? 専門家に聞く「放課後の居場所」5つの選択肢とは?
知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの〝社会インフラ〟

萩原和也

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竹倉玲子
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