まさにきょうだい一人ひとりに自己肯定感を育む秘訣です。
また、きょうだいを仲良くさせるためには、一人ひとりへの声かけが効果的だったといいます。例えば、弟がお兄ちゃんを頼っている場面を見たら、後でお兄ちゃんにコッソリ「〇〇ちゃん(弟)はお兄ちゃんのこと、本当に好きみたいだね」とささやく。
お兄ちゃんと弟が楽しく遊んでいたら、弟に「お兄ちゃんは本当に〇〇ちゃん(弟)のことを大事にしてくれているね」。個別にこっそり言うのがコツだそう。
きょうだいを比べずに一人ひとりの自己肯定感を育むことは、それぞれの能力を伸ばすことにつながりますが、お二人が口をそろえて言っていた大事なポイントがもう一つあります。
「大人になってからも、きょうだい仲良くいられること」
同じ家庭で育ち、親以上に支えとなることもあるきょうだいですが、永遠のライバルでもあり、一つ間違うと愛情や財産の分配をめぐって争いが生じることも日常茶飯事。
実は、きょうだいがずっと仲良くいられるかどうかは、親の言動にかかっているのです。
「子どもの頃を振り返った時に、一点の曇りもなく『楽しかった』と思ってほしかったし、いつか親がいなくなってもきょうだい全員で仲良く集まってほしい」(佐藤さん)
「いま、息子たちは全員成人して、皆バラバラの職業についていますが、今でもきょうだいが仲がいいのは親として何よりもうれしいこと」(アグネスさん)
皆さんはどうでしょうか?
子育てで大切なことは、このように身近でシンプルなことの中にあるのかもしれません。
(教育エディター・江口祐子)
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江口 祐子
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