住居費は、家計に占める割合が大きく、毎月最優先で支払わなければならない費目です。賃貸で家賃を払い続けるのか、マイホームを買って住宅ローンを払っていくのか、買う場合にもどのタイミングでどんな家を買うのか悩んでいる読者も多いでしょう。ファイナンシャルプランナーの西原憲一さんに、住宅購入のコツを聞きました。子育て情報誌「AERA with Kids2024冬号」(朝日新聞出版)から紹介します。
【表】10年前と現在の首都圏の新築マンションの平均価格はこんなに違う!不動産価格は高騰 なかなか買えない現状
今は都市部を中心に不動産価格が高騰しており、なかなか購入できる金額ではなくなっています。そこで、わが家の場合はいくらくらいのマイホームが買えるのかや、購入の際の注意点などについて考えてみましょう。
まず、持ち家と賃貸の違いを押さえておきます。持ち家のメリットは、ローン返済が終われば家賃が不要になり、資産になること、リフォームの自由度が高いこと、家賃の値上げや退去の心配がないこと。デメリットは、購入時の初期費用が高額なこと、住宅ローンの返済リスクがあること、毎年固定資産税・都市計画税がかかること、気軽に引っ越せなくなることなど。
賃貸のメリットは、引っ越しがしやすいこと、初期費用が比較的少ないこと、修繕費が不要なこと。デメリットは、ずっと家賃を払い続ける必要があり、資産にならないこと、家賃の値上げや退去のリスクがあること、自由にリフォームできない場合が多いことなど。それぞれに一長一短です。自分のライフステージにおいて、今はどちらを選ぶのがいいのか判断していきましょう。
家計に占める住居費は手取り月収の25~30%以内で!
住宅を購入する場合、いくらまでの物件なら買ってもいいと判断できるのでしょうか。「銀行が貸してくれるから」というような短絡的な理由では、この先、長期間にわたって住宅ローンを払い続けることができなくなるかもしれません。家計全体のバランスを考慮し、長期的に無理のない返済計画を立てられる予算であることが重要です。
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