――過去問がないので対策が難しいですね。

 過去問がないので、高校や予備校では、大学入試センターが公表した試作問題をもとに、どのような問題が出るのか予想しています。ただ他の教科と同様、共通テストでは教科書の範囲を超える内容は出されません。

 そもそも、情報Ⅰの教科書は四つの章から成り立っています。

(1)情報社会の問題解決

(2)コミュニケーションと情報デザイン

(3)コンピュータとプログラミング

(4)情報通信ネットワークとデータの活用

 このうち(1)(2)のなかの情報モラルや情報デザインなどの問題は、SNS やメール、Web サイトを利用する際の注意点など、半分くらいは問題文を読んで正しく理解すれば「常識で解ける」ものなので、“ノー勉強”でも点が取れる生徒が結構いるかもしれません。

 プログラミングの問題も、25点中7点くらいはプログラミングができなくても解ける問題になると思います。  

――問題の特徴は?

 他の教科もそうですが、近年は暗記力を問うような一問一答型の問題は少なく、1問が数ページにわたるボリュームのある問題が多くなる傾向があります。長文だけでなく資料やデータを読む力、論理的思考力が問われているからです。情報Ⅰも例外ではなく、1問がとても長く、前提条件だけで1ページにも及ぶなど「読むのに時間がかかる」問題が多く、示されたデータから問題を読み解いていくものが多いのが特徴です。

――今から勉強しても間に合いますか。

 最初にお話ししたように、今回の「情報Ⅰ」は配点比率がとても低いです。ですので、情報Ⅰの理解に自信がない、これまでほとんど勉強していないという人は、今から必死になって勉強するよりも、思い切って情報Ⅰは捨てて、配点比率の高い他の教科の勉強にシフトするほうがいいかもしれません。

2026年度の入試では「情報Ⅰ」はどうなるのか

――次回(2026年1月)は、難しくなるだろうとのことですが。

 2026年度の入試については、まだ詳しい情報が発表されていないのでなんともいえませんが、それでも今回(2025年1月)の共通テストに比べれば、問題が難しくなるのは間違いないでしょう。

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