――その後、日常生活でミスを防ぐためにどんな工夫をしていますか?

 本を読んだり人の話を聞いたりして「この方法は使えるかも?」と思う対策を、ゲーム感覚で生活に取り入れてみています。もちろん自分には合わなかった対策もありましたが、これは使える!と思ったものもたくさんあります。漫画に描くエピソードは、その中でも「シンプル・お金がかからない・簡単にできる」という視点でチョイスして紹介しています。

 例えば、家族間の情報共有など、こんな対策をしています。

思い切って描いたダークな部分に「共感の嵐」が

――親自身の発達障害の経験談を発信されていますが、最も反響が大きかったエピソードは?

 本の第9話「完璧主義、卒業します!」というエピソードでは、完璧さを求めて頑張ることで自分や家族にいらだってしまうという私の中のかなりブラックな部分を描いていて、SNSには一切投稿していないんです。それでも、DMや本のレビューで、「自分の中にあったモヤモヤがこれだと腑に落ちました」「読んでいて自然に涙が出ました」など多くの声をいただき、私と同じように、人に言えなくて悩んでいる人がたくさんいることを実感しました。

――ADHDのことを漫画に描いてから、ご自身の子育てや生活にどんな影響がありましたか?

「失敗には対策がある」と思えたことが一番の変化です。以前は自分のことが分からなさ過ぎて、ブレーキの壊れた暴走車を運転して事故って落ち込むことを繰り返しているような、出口の見えないトンネルの中にいるような気持ちでした。でも今は自分のことを以前より理解できるようになり、そして自分のことを知れば知るほど面白いなと思えるようになりました。

次のページへ夫がより理解してくれるように!
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