小学校3年生の子どもが算数のテストで「80点」を取った場合、親は子どもをほめるべき? それとも即座に対応すべき? タブレットを利用した小学生の算数学習教材で全国模試1位の子どもを続々と輩出している「RISU」を運営する今木智隆さんは、「低学年の算数で最も大切なのは、基礎を身につけること」と言いますが、どんなことをすればよいのでしょうか? 今木さんの著書『小学生30億件の学習データからわかった 算数日本一のこども30人を生み出した究極の勉強法』(文響社)からお届けします。

MENU 小学3年生の80点は「いい点」ではない 算数は積み上げ 「基礎」が何よりも大切 点数に一喜一憂せず分析を

小学3年生の80点は「いい点」ではない

 学年が上がるたびに満点は取りにくくなるので、たとえば6年生であれば8割の得点で満足すべきテストもあるかもしれません。

 しかし、小学校低学年(1年生〜3年生)の算数のカリキュラムには、高学年に上がるための基礎が詰まっています。

 3年生の時点で8割方しかわかっていないということは、この基礎が2割も欠けているということです。つまり、高学年になってからのつまずきの芽がすでに出ていると考えなくてはいけません。

 80点であろうが70点であろうが、点数に一喜一憂している場合ではなく、落とした20点なり30点なりの中身を分析して、即座に対策を講じる必要があります。これを放置したまま学年が上がると、傷口はどんどん大きくなります。

 3年生くらいのテストでは、極端に難しい問題はそうそう出題されません。きちんと計算ができて、最低限の式が立てられて、最低限の図形がわかっていて、検算の習慣があれば、ほぼ満点に近くなるはずです。

 では、お子さんはなぜ20点を落としてしまったのか。

計算のケアレスミスが多くて80点を取っているのか、文章題の式が立てられなくて80点を取っているのか、図形がわからなくて80点を取っているのか、それによってその後の学習計画はまったく変わってきます。

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今木 智隆
今木 智隆

RISU Japan株式会社代表取締役。京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザ行動調査・デジタルマーケティング領域専門特化型コンサルティングファームのビービット入社。金融・消費財・小売り流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年から同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。 タブレットを利用した小学生の算数の学習教材「RISU算数」で、のべ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。

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