「好きなことはあるけれど、具体的な夢や目標がない小6の娘。具体的な夢を持ったほうがいいのでは…」と悩む親御さんに、教育評論家でこれまで1万3000人以上のママたちの悩み相談を受けてきた石田勝紀さんは「子どものころに夢を持つ必要はない」といいます。子どものうちにやったほうがいいこと、夢を持つきっかけについてアドバイスをいただきました。

MENU 子ども時代に必要なのは確かな「希望」 夢を見つける2つのカギ 子どもの夢や目標、応援のコツ

子ども時代に必要なのは確かな「希望」

相談者 娘は、将来の夢を聞かれると「ダンスで何かやりたいけど、夢がないんだよね」と答えます。母親としては「夢がないのはもったいない、目標を持って頑張ったほうが成果が上がるのでは?」と思ってしまいます。夢や目標を具体的に描けるようになるには、どうしたらいいでしょうか。親が手助けできることはありますか?

石田 大人は子どもに「夢を持ってほしい」と思いがちですよね。親として、目標があったほうが頑張れるだろうと考えるのは正しいと思います。ただ、子ども目線で考えたとき、まだ夢や目標がない子のほうが一般的なのではないでしょうか。彼らはまだ人生経験が浅いし、世界が狭い。夢というのは、行動範囲が広がったり出会う人が増えたりするなかでだんだん見えてくるものですよね。

 結論をいうと、子どものうちは夢を持つ必要はないと思います。子どもに必要なのは、夢ではなく「希望」。すなわち「やれば伸びる」「成長している実感」「できた!という達成感」、これが重要です。でも多くの子どもたちは、勉強してもあまり成績が変わらないと感じています。宿題をやっても成績はそう簡単には上がらないので、「やっても意味ないよね?」という気持ちが芽生えてきて、やがて希望がなくなっていく。それはやり方を間違えているだけで、正しいやり方をすれば成績は上がるのですが、希望を失ってしまっている子が多い。

 そこで、まずは目の前のことに全力で取り組む経験を積み重ねて、見えるものをやっていくのがおすすめです。

次のページへ夢を見つける2つのカギとは?
著者 開く閉じる
布施奈央子
布施奈央子
1/3
次へ