2022年度から普通科高校に「情報Ⅰ」が必修科目として導入されました。2025年1月実施の大学入学共通テストでは、「情報Ⅰ」が新たに課されます。親の世代は、教科としての「情報」になじみが薄いため、実際にどのようなことを学ぶのか、わからないことが多いのではないでしょうか。代々木ゼミナールの情報科・松尾康徳講師に、高校での教科「情報」について聞きました。

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高校生は「情報」で実際に何を学んでいるの?

――「情報」は全員が学ばなくてはいけないのですか?

 はい、2022年度から「情報」は「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」という2科目構成になり、その内「情報Ⅰ」は全員が学ぶ必修科目になりました。「情報Ⅱ」は選択科目です。

 実は教科としての「情報」は2003年から普通科高校に導入されていたのですが、あまり力が入れられていませんでした。親世代は「そういえば高校の授業でちょっとパソコンに触れたかも……」という人も、まったくなじみがない人もいるでしょう。「全員が必修」と聞くと動揺するかもしれませんが、授業ではとてもベーシックな内容を学ぶので、恐れることはありません。

――授業では、どのようなことを学ぶのですか?

 よく「情報ってプログラミングを学ぶのですよね?」とおっしゃる人もいますが、プログラミングはほんの一部で、それだけを学んでいるわけではないんです。「情報Ⅰ」の内容は大きく分けて4単元あります。

 1  「情報社会の問題解決」  

    情報とは? データとは? 情報モラル、知的財産権、個人情報の保護など。

 2 「コミュニケーションと情報デザイン

    情報の見せ方、プレゼンテーション、デジタル表現など。

 3 「コンピュータとプログラミング」

    コンピュータの原理、プログラミング、シミュレーションなど。

 4 「情報通信ネットワークとデータの活用」

    ネットワーク、セキュリティー、データ分析や活用など。

 基本的には「情報Ⅰ」は「データを活用した問題解決」がメインテーマの教科であると考えればよいでしょう。「プログラミング」はデータを活用するうえでの「一つの素材」に過ぎません。「そもそもデジタルって何?」というところから、「データをどう見せると効果的なの?」「データを使ったシミュレーションってどうやるの?」「このデータから何がわかるの? どう読み取るといいの?」といったことも学んでいきます。文系理系問わず、これからのビジネス社会で生きる人がみな身につけるべき教養といえるでしょう。

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船木麻里
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