まもなく本番を迎える2025年度の首都圏・中学入試。埼玉、千葉では1月に試験がスタートする。埼玉、千葉、神奈川の注目の学校や、併願校の人気パターンとは? 首都圏模試センター教育研究所長の北一成さんと、栄光ゼミナールの入試情報センター責任者・藤田利通さんに聞いた。

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共学、別学の人気はどうなった?

 一時期勢いがあった、共学校人気も落ち着き、男子校、女子校の別学に志望者が分散し、学校選択の志向が多様化しているという。首都圏模試センター教育研究所長の北一成さんはこう話す。

「特に女子校はIT環境を整えるなど、スピード感を持って改革を進めています。その改革を、SNSなどできちんと受験生や保護者に届くように発信している学校が、人気が上がっています」

  栄光ゼミナール入試情報センター責任者の藤田利通さんによると、東京都と神奈川県の受験初日にあたる2月1日は、別学が増加しそうだという。さらに別学と共学を併願する受験生も増えている。

「たとえば難関校を例にとると、1日に開成(東京都荒川区)や麻布(東京都港区)など男子校を受けた受験生が、2日には渋谷教育学園渋谷(東京都渋谷区)や広尾学園(東京都港区)などの共学校と併願する例も見られます。最近の傾向として、別学、共学にこだわらずにわが子に合った学校を選んでいる家庭が増えています」

神奈川、千葉、埼玉の注目校は?

 地域別に受験生の動向を見てみよう。東京都は変わらず活況だが、神奈川県で減少傾向が見られる。

「そのなかで、ミッションスクールの女子校が元気です。湘南白百合学園(藤沢市)の志望者は高止まりですが、ほかにも、入試日を2024年から2回に増やした横浜雙葉(横浜市)、聖セシリア女子(大和市)、清泉女学院(鎌倉市)などが志願者を増やしています」(北さん)

 千葉県は市川(市川市)の伸びが目立つ。県内に2校だけの女子校、国府台女子学院(市川市)、和洋国府台女子(市川市)も好調だ。

 埼玉県の注目は、24年度に開校した開智所沢(所沢市)だ。開智系列校で合同入試を行い、大勢の受験者を集めた。入学する生徒も多く、開校初年度から話題を呼んだ。25年度は募集定員を240人から300人に拡大し、コースを医進、国際、探究の3クラスに編成する。引き続き合同入試も実施する。

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柿崎明子
ライター 柿崎明子
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