「うちの子は、分数・小数が苦手です」とおっしゃる親御さんが大勢いらっしゃいますが、位がわかっていないからつまずいていることが大半です。いわば低学年での潜伏期間があって、小数に進んでから発症したとしても、実際にはそのずっと前、位のときにつまずきの病原体が入ってしまっているわけですね。

 そもそも根本の位が理解できていない状態で「小数ができないから」と小数の問題をいくらやっても、決してできるようにはなりません。

 ピロリ菌が原因の胃潰瘍(いかいよう)で胃が痛いというときに対症療法として「胃薬を飲んでおいてください」というようなものです。胃がんの原因ともなるピロリ菌の除菌という根本治療をしないかぎり、ことあるごとに潰瘍は再発します。小数ができない場合も同様に、 「位に戻ってしっかりと理解する」という、根本治療をしなければなりません。

学力が高い子の家庭に見られる8つの特徴とは? 調査からわかったことを専門家が解説
小学生30億件の学習データからわかった 算数日本一のこども30人を生み出した究極の勉強法

今木智隆

小学生30億件の学習データからわかった 算数日本一のこども30人を生み出した究極の勉強法
著者 開く閉じる
今木 智隆
今木 智隆

RISU Japan株式会社代表取締役。京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザ行動調査・デジタルマーケティング領域専門特化型コンサルティングファームのビービット入社。金融・消費財・小売り流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年から同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。 タブレットを利用した小学生の算数の学習教材「RISU算数」で、のべ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。

1 2 3