算数は積み上げ 「基礎」が何よりも大切
算数は積み上げ型の教科です。
建物にたとえると、低学年は基礎工事にあたります。3年生の80点を放置するということは、鉄筋コンクリートの基礎が2割欠けているその上にタワーマンションを建てようとするようなものです。建物の屋根に多少おかしいところがあっても雨漏りがするくらいで済むかもしれませんが、土台が腐っていたら倒壊は免れないでしょう。
低学年のうちの算数は、頑張れば指で数えられるような、身近な数の世界にとどまっています。ところが高学年になるにしたがって、まず小数などの身の回りにない概念が入ってきます。身の回りのものすらよくわかっていない子どもが、抽象的な概念を理解するのはさらに大変です。加えて、文章題や複合的な問題が増えてきます。
たとえば、円が絡む面積の問題を考えてみてください。円周率3・14など小数の計算がある程度できて、かつ図形がある程度理解できなければ、手も足も出ません。
何事もそうでしょう。
私が趣味にしている空手では、突き・蹴り・受け・移動などの基本的な動作をしっかりと身につけてはじめて、組手(試合)ができるようになります。基本を身につけずに組手をやっても、基礎を身につけている相手には手も足も出ませんし、受けがまともにできなければ最悪、大怪我をするということもあります。積み上げ型である算数という教科も、これとまったく同じです。
点数に一喜一憂せず分析を
お子さんのテスト結果を見て、何点を取ってよかった悪かった、偏差値がいくつ上がった下がったと一喜一憂しておしまいという親御さんは本当に多くいらっしゃいます。ほとんどの親御さんがそうだと言ってもいいくらいです。
そうやってお子さんの成長や弱点克服のチャンスをみすみす捨てていると、気がついたときには手遅れになっています。テストとは本来、何ができて何ができないのか、実力を「見える化」してくれるツールです。これを活用しない手はありません。
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