おすすめポイント
旅先で食事をたのしみ、宝物で代金を支払っているうちに、すっかり袋の中はからっぽ。「どこかで仕事を見つけないと飢え死にするぞ」と仕事先を求めて旅を続けるノラネコたち。行き当たりばったりで何も考えていないようでも、ちゃんと仕事をして食べ物を得ようとするところがノラネコぐんだんらしいまっとうなところ。
子どもがいなくなったと嘆くねずみたちに協力を約束し、荒れ地ではお腹がすいた小人に残り少ないパンを分けてあげる。人情味があって、義理堅いのです。たどりついた古い館で魔法使いにお料理番として雇われると、素直に魔法使いとの約束を守ります。でも……いつも一所懸命なノラネコぐんだんだからこそ、いざというときは味方になってくれるものたちがいるのです!
魔法使いが本性をあらわし、ノラネコたちが必死に逃げるシーンはハラハラ、ドキドキ。読み物に慣れない子でも、冒険の先が気になって読み進められます。
冒頭には、作者・工藤ノリコさんから子どもたちへのメッセージがあります。物語はやさしい言葉で書いてあること。わからない所はそのままにしてどんどん進んでいいこと。ちょっとずつ読んでいけばいつか読み終わることなど……。「初めての読み物」にチャレンジする子どもへの励ましと、素敵な挿絵がたくさんあるのもポイントです。
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