与えられたミッションを すべてクリアしなくてもいい
――お子さんたちの成長、これからますます楽しみですね。将来の夢はあるんでしょうか?
長女はアイドルになりたくて、次女は行列のできるパン屋さんになりたいそうです。三女の夢は「ホテル屋さん」。家族旅行でどこかに泊まったときに、そう思ったのかもしれません。子どもたちのそういう話を聞くのは、本当に楽しいですね。
うちの子たち、ものすごく面白いんですよ。この前なんて、ランドセルが空っぽの状態で家に帰ってきましたからね。「全部学校に忘れてきた!」って慌てて取りに行って、やっと戻ってきたら、今度は上履きで帰ってきました(笑)。忘れ物は注意するところなのかもしれませんけど……そんなところも含めて、ものすごくかわいいんですよね。
日常生活のルールを守ることは大切ですが、それだけでいっぱいいっぱいにならないでほしい、というのが僕の思いです。完璧な人なんていないし、完璧になる必要なんてない。大人はうまく隠しているだけであって、実はダメなところは誰にだってあります。僕も方向音痴だし、いまだに酔っ払うとしょっちゅう眼鏡を無くすし、どの服のポケットにもリップクリームが入っているような人間ですから。与えられたミッションをすべてクリアしようとせず、それぞれに合ったゆるやかなペースで、できることを少しずつ伸ばしていってくれたらうれしいです。
(構成/木下昌子)
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