学校や宿題、塾、習い事と忙しく過ごす子どもたち。共働き世帯の親も多く、なかなかこまめにフォローするのが難しいなかで、子どもの時間管理はどうすればいいのでしょうか? 教育評論家の石田勝紀さん、筑波大学附属小学校国語科教諭の白坂洋一さん、中学受験専門塾「伸学会」代表の菊池洋匡さん、脳科学者の加藤俊徳さんの4人に教えてもらいました。「AERA with Kids2024年秋号」(朝日新聞出版)から紹介します。

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勉強への取り組み

――声をかけると「しようと思っていた!」と言われます(小3女子)

 勉強の「オフスイッチ」と「オンスイッチ」は両方とも環境として親がつくらないと子どもはできるようになりません。子どもの時間感覚は、親が「今は思い切り遊ぼう」「〇時から宿題だね」といった「時間を意識する親の声かけ」とともに育っていきます。そして一日の終わりに時間通りに動けた、うまくいかなかったなど「時間に関する振り返り」を大事にしてみてください。(加藤さん)

――学校から帰ってきて勉強せずにダラダラしています(小1女子)

 どんな勉強をするのか、いつするのか、どれくらいするのかなど、勉強ひとつでもいろいろ要素があってつい腰が重くなるもの。例えば「予定の時間通り始められたらボーナスポイント〇点」とか。小さなタスクをクリアするごとにポイントがもらえて、〇点いったらごほうびがあるなど、勉強の取り組みそのものをもう少しゲームっぽくすると、やりやすくなるのでおすすめです。(菊池さん)

――勉強に取り掛かるのに時間がかかります(小2男子)

 子どもが夢中になるものって、将来役に立つものではなく、今楽しいものですよね。まじめに勉強させようとするよりも、勉強を楽しくする工夫をしてみましょう。例えば計算一つとっても、親子きょうだいでハンデをつけながら競争にすると、子どもは盛り上がりますよ。ぜひやってみてください。(菊池さん)

 子どもはその時その場所で思っていることを元に動いてしまうので、自分自身を客観的に見ることが難しいのです。時間感覚はまさに「自分を振り返ることができる力」とともに身についてきます。大抵の子どもは自分自身を振り返ることが未熟な状態。その場合はまず好きな時間、楽しい時間のベースがあって、「勉強をする時間」を設ける。勉強も「好きな教科からやる」と「好き」の上に載せる感じで進めてみてください。(加藤さん)

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AERA with Kids編集部
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