つらさを内面に抱え込みやすい子は、うつ病や不安症など心の病になることも決して少なくありません。できるだけ早いうちに子どもの様子に気づき、その子に合った対応をすることが大切です。
過剰適応の子どもによく見られるケースとして、園や学校では、「目立つのを恐れて発言しない」「常に周囲の話題を気にして、話を合わせる」「ウケねらいでひょうきんな子を演じる」などがあります。また、家では「親の顔色や言葉の調子をうかがう」「ほしくないプレゼントにも喜ぶ」「新しいことや失敗を必要以上にこわがる」などがあげられます(「子どもの過剰適応/早期発見チェックリスト」の詳細は別表参照)
子どものもともとの性格にもよるので、いくつ当てはまったから「過剰適応」の恐れがあるとは一概に言えません。ただ当てはまる項目が多かった場合は、日ごろから子どもの様子をよく観察し、親自身が言動に気をつけるなど心がけてみましょう。
次は「過剰適応」を放っておくとどのような問題が生じるか、親ができることなどについて、くわしくお話しします。
<後編>「周りに合わせすぎてストレスを抱える子どもの「過剰適応」 10歳までに心がけたい、5つの対処法とは【医師が解説】」に続く
(取材・文/肥後紀子)
自己肯定感で子どもが伸びる 12歳までの心と脳の育て方
古荘 純一
空気を読みすぎる子どもたち (こころライブラリー)
古荘 純一
著者 開く閉じる