ほかにも、まつ毛が描いてあるキャラクターを「この子は女の子」と子どもが言ったことがありました。そのころは子どもがちょうど「あつまれ どうぶつの森」をやっていて、クリクリおめめでまつ毛のついたかわいいうさぎの男の子のキャラクターがいたので、その子を見せて「ほら、この子も男の子だよね」と言ったりしていましたね。
――娘さんが「女の子だから」など、ジェンダーで区切られるところを実際に見かけることもありましたか?
うちの子は変顔が好きで(笑)。「女のくせにそんな顔するな」と言われているのを見たことがあります。そういうときは「それは別に女の子でも男の子でも関係ないよね」という話を相手の子にも娘にもしています。
ちょっと汚い言葉遣いをしたときに「女の子なんだから、そんな言葉遣いしないの」と言われたときも、「いや、女の子だからじゃなくて、汚い言葉遣いはみんなしないほうがいいよね」という伝え方をしました。ただ、そういう場に立ち会えることのほうが少ないので、寝る前の“今日、何があったか話すタイム”にそういう話がちらほら出てきたら、フォローするようにしています。年長さんぐらいから続けているんですが、今日あったことを思い出して言語化するのって子どもには難しいと思うので、先に私が「今日ママ、仕事先でこんな人に会って、すごく楽しかったんだよね」と話すと、結構話してくれますね。
「うちの子なんて…」は謙遜じゃなく、ただの悪口
――『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』ではルッキズムについても触れていますが、容姿の捉え方についてはどのように伝えていますか?
私が女の子を育てる上で突出して心配だったのは、「性被害に遭わないか」「見た目のことで悩まないか」の二点でした。ルッキズムについては子どもが気にする前に、「美しさとは一つだけではない、誰しもが美しい」ということを知って欲しくて、様々な人種、体型、障害、顔……多様な人たちが楽しんでいる映像を見かけた時に「すごく美しいと思う」という気持ちをそのまま伝えるようにしています。
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