8月8日に宮崎県で最大震度6弱を観測する地震が発生し、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が出されました。南海トラフ沿いではこれまでも繰り返し、大きな地震が起きています。南海トラフ地震とはどのような地震なのか、また南海トラフ地震臨時情報について、ジャーナリストの一色清さんがわかりやすく解説します。小中学生向けのニュース月刊誌『ジュニアエラ2024年11月号』(朝日新聞出版)からお届けします。<後編>「30m超の巨大津波が予想される“南海トラフ地震”とは? 「臨時情報」が出たら家族ですべきことも解説」に続く

■南海トラフ地震の前ぶれではないかと注意がよびかけられた

――今年の夏は「南海トラフ地震」という言葉をよく聞きましたが、どんなことがあったのですか?

 8月8日の夕方に、宮崎県沖の日向灘を震源とする地震が起きました。被害は小さかったけれど、地震の大きさを示すマグニチュード(M)は7.0で、かなりの規模の地震でした。

――その地震が南海トラフ地震なのですか?

 そうではなくて、この地震が南海トラフ地震の前ぶれではないかとして、気象庁が南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を出しました。南海トラフ地震はそのうち起こると予想されている巨大地震で、震源は駿河湾(静岡県)から日向灘沖(宮崎県)にかけて想定されています。今回の地震がその範囲内で起こっていて、過去にあった巨大地震には前ぶれの地震があったため、注意をよびかけたのです。とりあえず何もなく平常に戻れたので、ひとまずよかったですけどね。

――「引き続き、1週間は地震に備えて注意するように」とも呼びかけられましたね。夏休み中だったから、きっと影響を受けた人がいたのではないでしょうか?

 太平洋側の海水浴場の中には遊泳禁止にするところが出たり、花火大会などのイベントを中止したりするところもありました。また、東海道新幹線が一部で速度を落として運転するなど、旅行の計画に影響が出た人もいました。ただ、南海トラフ地震は2011年の東日本大震災よりも大きな被害を出すと予想されている巨大地震なので、警戒するのは当然で、少々の影響は仕方がなかったと思います。

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一色清
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