10月27日~11月9日は「読書週間」。子どもの読書に関わる記事を再配信します。(2024年5月25日の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)。
【写真】豪華! 押切もえさんの手作り料理モデルとしてはもちろん、タレントとしても作家としても活躍する押切もえさん。無類の読書好きとしても知られ、2020年から2年間、朝日新聞の読書面で書評委員を務めた経験もあります。そんなもえさんから、子どもたちといっしょに読んでいるお気に入りの絵本を紹介していただきました。
シンプルなはり絵と独特のストーリー
『ねないこだれだ』(せなけいこ作・絵/福音館書店)
上の息子も下の娘も大好きで、思い出いっぱいの赤ちゃん絵本です。読み終わると「もう一回! もう一回!」とリクエストされるので、何度も繰り返して読みました。せなけいこさんの絵本はどれも言葉づかいがかわいくて、読んでいても楽しいんです。最近になって息子が「この絵本の絵って切り絵だったんだね。すごいね、小さいときには気づかなかったよ」なんて言ってくれて、成長したんだな、と感じます。
子どもも大人も泣ける絵本
『ないたあかおに』(はまだひろすけ文 いけだたつお絵/偕成社)
私が子どもの頃から大好きな絵本。大人になった今でも読むと泣いてしまうんです。青鬼くんの優しさ、思いやりが胸にしみます。その一方で、見た目が怖いというだけで仲間に入れてもらえない人間たちに、不条理を感じるのです。息子に最初に読んだときには、少し難しかったみたいでポカンとしていました。だから「たとえばお友だちの〇〇くんがね」というように、実例を入れて話したら「それは悲しいね」と共感してくれました。絵本をきっかけに、話題を広げていくのも楽しいですね。
幼児の心の成長を描いた名作
『ピーターのいす』(E・ジャック・キーツ作 きじまはじめ訳/偕成社)
下の子が生まれるときに、義理のお姉さんからいただいた本です。
妹が生まれたピーターは、自分が使っていたベビーベッドや食事用のいすがピンク色に塗られてしまい、ショックを受けるんです。1つだけ残った青い子ども用のいすをもってピーターは家出しようとする。切なくなるお話です。兄夫婦も上が男の子で下が女の子、私もそうだったので、この絵本は本当にぴったりでした。義姉の思いやりが伝わってくる思い出深い一冊です。
小さなかしこい魚のおはなし
『スイミー』(レオ・レオニ作 谷川俊太郎訳/好学社)
レオ・レオニさんの絵本はほとんど持っています。絵が芸術作品のように美しく、物語にも説得力があるのです。『スイミー』は、その中でも大好きな絵本。「どんなに小さくても、力を合わせれば大丈夫なんだね」って子どもたちと話しています。先日水族館に行ったときにも、群れで泳いでいる魚を見て「スイミー作戦だ!」なんて話していました。
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