旅には学びの“種”がいっぱい――。筆者の息子は、京都大学へ進みましたが、小さなときから自ら進んで学ぶタイプでした。「勉強しなさい」と言ったことは、ほとんどないというと、多くの人から「信じられない」という反応が返ってきます。実はこれには秘訣があり、それは「知る・学ぶことは楽しい」と子どもが経験から感じているから。今回は「旅を通じて自ら学ぶ子になる」をテーマに進めましょう。

MENU 旅での疑問は「旅育」のチャンス 子どもが答えを見つけるサポートを 想像する時間が、発想力や知る楽しさを育む 本物に多く触れ、興味関心の芽を育む まとめ おすすめ“旅育”体験×星野リゾート 青森屋 

旅での疑問は「旅育」のチャンス

 日常とは異なる環境の旅では、子どもの好奇心も全開に。「あれはなに?」「どうして?」と疑問を口にすることも増えます。疑問は旅育のチャンスです。丁寧に向き合うことで、「知る・学ぶことが楽しい」と気づく機会になります。

 脳科学的にも、「知ること」や「学ぶこと」は、報酬系のドーパミンが増え、うれしい行為だとされています。それなのに苦手意識を持ち、なかなか勉強に前向きになれない子どもが多いのは不思議ですよね? 思うに「子どもの興味・関心とは関係ない学びを優先しがち」なのも一因ではないでしょうか。「しなければならない」「させられる」ということは、大人でもモチベーションはあがりません。まずは子どもが「知りたい」「学びたい」ことに取り組み、探究する楽しさを感じることが大事です。そのベースがあれば、新しいものや未知のものへの好奇心が高まり、自然とさまざまなことを吸収するようになるのです。

 旅ではさまざまな「人」や「本物」との出会いがあります。関心や興味を示したタイミングを逃さず、「知る・学ぶことの楽しさ」を感じる機会にしましょう。

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村田和子
旅行ジャーナリスト・旅育コンサルタント 村田和子

旅行ジャーナリスト・旅育コンサルタント。旅育メソッド🄬提唱者。旅で「人・地域・社会」が元気になるをモットーに活動。多数のメディアで執筆・出演するほか、講演やコンサルも実施。著書に『旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ』(日本実業出版)。

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