「いよいよ中学が終わっちゃう」……不登校の子どもの「義務教育後の進路」に不安を感じている親御さんも多いでしょう。長年にわたって、不登校の子どもや親の支援を続けてきた西野博之さんは、「進学先選びは慎重にするのがいい」と言います。では、今後の進路をどのように考えたらよいのでしょうか? 西野博之さんの著書『マンガでわかる!学校に行かない子どもが見ている世界』(KADOKAWA )からお届けします。
【マンガ】不登校、親から見た世界・子どもから見た世界はこんなに違う(全31枚)義務教育後の進路はどうする?
学校に行かない子をもつ親御さんから心配事として多く聞くのが、進学に関する悩みです。中学までは義務教育ですから自動的に進級できますが、高校からはそれぞれの選択になります。不登校経験者でも高校に進学できる環境は広がっており、「高校生になる」こと自体は、それほど難しいことではなくなりました。
進学先の選択肢が広がっているとはいえ、高校に入学してから在籍し続けられるかは、本人の努力はもちろん、学校によって大きく異なります。進学先選びは慎重にするのがいいかと思います。たいていの学校は見学できますので、実際に行って直接、先生と話してみるのもいいのではないでしょうか。
ここで改めて確認したいのですが、高校進学の前提は、本人が進学を希望していることです。みんなが高校に行く年だから、と無理して入学しても、モチベーションがなければ中退してしまうことも少なくありません。これは不登校の子に限ったことではなく、どのお子さんにもいえることですね。
親はあまり先回りしすぎない
私はこれまで、「今じゃないから」と高校に進学しない子にも多く出会ってきました。その中には機が熟したのか、しばらくして勉強を始め「高認※」を受けて大学から行くようになったり、専門学校に通い始めたりした子もいます。一人ひとりが自分の進路を考え選んで、それぞれの速度で歩んでいます。他人と比べずに、本人の視点で考えることが大切です。
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