私の場合、勉強が嫌いというよりも、ほかにやりたいことがたくさんありました。子どもの頃は運動が大好きだったし、友だちともたくさん遊びたかったんです。高校生のときにはバイトも楽しかったし、ギャルメイクにもハマっていました(笑)。

 まわりには高校を中退して働く子もいました。仕事して自分でお金を稼いでいる姿は、なんだかキラキラして見えたものです。

 だからですかね、私は「勉強ってコスパが悪い」と思っていました。数式を覚えても、テストでいい点数をとっても、お金になるわけじゃない。だったらその時間、バイトしたほうがお得じゃないの?って。

知識がないと何も言えない。東京に来て知った勉強の必要性

 でも、「ギャル曽根」として東京で仕事をするようになって、本当の意味での「コスパのよさ」とは何かを身をもって知ったのです。

 当時の私は、自分があまりに無知なことを思い知りました。仕事の打ち合わせをしていても、出てくる言葉はちんぷんかんぷんです。意見を聞かれても何も言えなくて……。みんなが常識として知っていることが私にはわからないのです。

 知識があればあるほど話は広がるし、アイデアも浮かびます。言葉を知っていれば知っているほど、自分の考えやイメージしていることを正しく伝えられます。「勉強って、単純にテストの点数がとれるとか、そういうことではなかったんだ」、「勉強にかけた時間とコストは、社会でこんなふうにいかされているんだ」と痛感しました。

 そんなときに夫と出会いました。「頭のいい人だなぁ」って思ったことはよく覚えています。

 私がわからないことを聞くと、めんどうがらずに教えてくれる人でした。それはいまも昔も変わりません。だから私もちょっとずつ知識が増えたし、本も読むようになりました。夫と出合うまでは、本を1冊最後まで読み切るなんてできなかったのに、難しい漢字や意味のわからない言葉をそのつど調べて読むうちに、少しずつでも世界が広がってきたような気がしたのです。

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