楽しい状態というのは、おちゃらけているイメージを想起されることもあるようですが、どちらかというと、「興味を持って夢中になっている状態」のことをいいます。

 勉強ができる子は、「頭の中で楽しんで」います。外からは内面が見えないため、普通に勉強しているようにしか見えませんが、実際は頭の中で彼らは「遊んで」います。たとえば、ゲームの要素を入れてみたり、クイズにしてみたり、語呂合わせでダジャレにしていたりします。

 しかし、普通の子どもたちは“素直”なので、目の前のつまらなく見える勉強をそのまま「つまらない」ものと受け取ります。このようにして、同じ勉強をしていてもどんどん差がつくのはおわかりかと思います。その分かれ目のキーワードは「楽しむ」なのです。

 そこで、自然と楽しめないことがあったら、「どうしたら楽しめるかな?」という言葉を意識的に使ってみましょう。たとえば次のような感じです。

<親から子どもの場合>

 親が子どもを「言葉の力」で変えていくのも大事ですが、一番効果的な方法は「親が楽しんでいる様子を子どもに見せる」ことです。親が家事などを楽しんでやっていると、子どもにとってやらなければならないことも楽しんでやる傾向があります。子どもは親の言うことは聞きませんが、親のやっていることを真似し、親の感情を受け取っているものです。

 あえて例をあげるとすれば、次のようになります。子どもに「楽しむためには?」と聞くよりも、親が「うわ、これ楽しそう〜」と言うのです。

 たとえば、子どもが興味を持っていない絵本があるとします。その絵本を見て、親が「え〜、なにこれ、面白〜い」といって一人で盛り上がってしまうのです。すると子どもは、この絵本は面白いのではないかと思い、興味を示してきます。ぜひ試しにやってみてください。

 中学受験の場合でも、勉強内容をいちいち教えなくても、子どもがわからないという設問を読んで、「へー、こんなのやっているんだ〜。すごーい。え、なになに、これってそうなっているんだ〜、へ〜」と言ってみてください。すると、子どもに変化が出てきます。これもぜひ試してみてください。

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