「勉強ができる子は、頭の中で楽しんでいる」「積極志向が地頭をよくする」と教育評論家の石田勝紀さんは言います。勉強を楽しむために親が子どもにできることや、親自身が仕事や家事を楽しむためのヒントを、著書の『同じ勉強をしていて、なぜ差がつくのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から紹介します。
【マンガ】中学受験「全落ち」した子はかわいそう? 大人の“勝手な思い込み”に気づかされた、子ども同士の会話とは(全35枚)「積極思考力」をつくるマジックワード
「積極思考」がなぜOS(=地頭)を強化するのか、不思議に思われるかもしれません。これは、反対のことを考えるとわかりやすいでしょう。
つまり、消極思考をする人の脳は活性化するのか、ということです。学説やエビデンスを引くまでもなく、消極思考を持つ人は勉強も仕事もパフォーマンスが低いと直感的にわかる気がしませんか? 勉強をやりたくない、仕事をしたくないという人が、果たして頭脳が動き、高いパフォーマンスを発揮できるのかどうかは、自ずと答えは明らかでしょう。
ということは、逆に積極思考をつくってしまえば、頭脳のパフォーマンスは上がるということです。世の中では、これを一般に「やる気」といいます。相手のやる気を出す方法がわからなくて、多くの親や上司は困っているようです。もちろん、こうすれば必ずやる気が出るという、絶対唯一の方法はありません。やる気がない理由は人それぞれだからです。
しかし、消極思考を積極思考に変えるきっかけになる言葉はあります。それは、次の言葉です。
OSをバージョンアップするマジックワード 「楽しむには?」(積極思考力)
「目の前の超つまらない勉強や仕事、それを楽しむためにはどうしたらいいだろうか?」と問いかけるのです。すると、楽しむ方法に一瞬、思考が移ります。
この言葉は不思議な力を持っており、人は自然と楽しむ方法を「考え出してしまう」状態になります。もちろん、結果として楽しめる方法が見つかればいいのですが、もし見つからなくてもかまいません。一瞬でも思考が変わり、「考える」ということが行われてさえいれば、それでよしとします。
この「楽しい」は、21世紀の代表的な言葉であり、「楽しめることを仕事にしよう」「楽しみながら勉強しよう」というように、キーワードとしてあちこちで使われています。しかし、20世紀型の価値観で育った人たちは、「気合い・根性・努力」を美徳とするため、「楽しい」という言葉に嫌悪感を持つ人も少なくありません。
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