――たとえば、どんなことですか?

 やらなくてはいけないことは「淡々と」やるということです。家事など「なんで私がやらなくちゃいけないの?」って考えると、嫌になりますよね。そういう思いはもたずに、ただ「淡々と」こなしていく。こうしていると「なんで私ばっかり」と思わなくなるんです。

 もうひとつ、私にぴったりだったのが「がんばりすぎない」という思考です。「がんばりすぎず、今の自分にちょうどいい状態を見つける」こと。これが私の心にストンと入ってきました。

 私はずっとバラエティーを中心に仕事をしてきたので、例えがどうしても仕事になってしまうのですが……確かにバラエティー番組でも、張り切り過ぎて空回りして失敗することってあるんです。だからといって張り切りすぎずにいると「じゃあ、なにしに来たんだ」ということになりますよね(笑)。がんばりすぎず、がんばらなさすぎず「ちょうどいいがんばり」ができた日は、自分も楽しく、まわりの人にも楽しんでいただくことができるんです。

 それまでは「昨日はできたのに、なんで今日はこれができないの!」とイライラすることが多かったのですが、これを聞いてから、「今日の私の状態」に目を向けるようになりました。昨日の体調と今日の体調はちがうもの。「あ、今日は調子がいいから、あそこまでがんばれそうだ」「今日はペースを抑えめでいこうかな」と、すんなり考えられるようになりました。

――すべて自分で抱えていたころに比べたら、大きな変化ですね。

 心に余裕ができるとはこういうことか、と思います(笑)。「作らなくちゃ」と思っていた料理も、今は心から楽しんでいます。

――おはなちゃんの好きなメニューはなんですか?

 それが、「納豆ご飯」なんです。納豆と白いご飯、野菜が入ったワンタンスープ。手の込んだ料理はあまり好きではないんです。せっかく余裕ができたのに(笑)。

はしのさんの娘・おはなちゃんが好きな特製ワンタンスープ(提供)
伝説の「姫様」だったときのはしのさん(提供)

(取材・文/三宅智佳)

※前編<はしのえみが語る、小3娘の子育て 「自分が『姫様』だった」ことを娘に報告したとき、言われた一言とは?>から続く

【前編】はしのえみが語る、小3娘の子育て 「自分が『姫様』だった」ことを娘に報告したとき、言われた一言とは?
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三宅智佳
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