さらに、東京都ですごいのは、私立中学でも所得にかかわらず年間10万円を受給できることです。このような状況があるため、中学受験をしようとする強い流れは続いていくでしょう。なお、いずれの補助制度も保護者が申請する必要があります。
学費以外で、かかるのは?
さて、今回提示した表に含まれない経費も簡単にまとめておきましょう。
(1)交通費…首都圏の場合、自宅から徒歩や自転車で行ける範囲の私立中高一貫校に通うケースは少なく、鉄道やバスを利用して通うこととなります。この交通費の平均額を私は調査したことはありませんが、平均的な通学に要する時間は1時間くらいまで、なおかつ通学定期ですので、それほど高価にはなりません。ただし、小田原や栃木などから新幹線通学するようなケースもあり、その場合はやはりある程度かかってしまいます
(2)部活動代…入ったクラブによって千差万別。ほぼ経費がかからない部活から、ある程度の負担を覚悟するケースまでさまざま。体育系で遠征が多く、強い部活となるとそれだけ経費がかかる場合もあります。文化系でも、文芸部などは冊子の印刷代などしかかかりませんが(なかには、合宿好きな文芸部もあり、それで経費がかかるケースもありますが)、音楽系部活では楽器の購入などによって経費のかかり方が異なります。学校からの貸与楽器が充実している場合でも、次第に自分の楽器が欲しくなり、保護者にお願いするということもあります。
(3)オプションの海外研修費…学費に組み込まれていない海外研修、ターム留学なども最近増えてきました。これは100万円単位を覚悟するケースもあります。また為替と連動するため、費用も流動的です。
(4)学習塾・予備校代…これは保護者の考え方次第です。筆者の考えとしては、少なくとも中学段階では、外部の学習塾に頼るのではなく、私学のなかで解決していただきたいですね。特に最近の私学では、ラーニングコモンズが用意されていますが、そこでぜひとも友達や先生方と共に課題を解決し、自ら学ぶ姿勢を培っていただきたいものです。
また、最近は、大学入試は総合型選抜が急増しているため、高校からの予備校通いも大きなターニングポイントに差し掛かりつつあるでしょう。
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