公立中高一貫校は全くの無償ではない

 最後に公立中高一貫校について触れておきましょう。公立中高一貫校は全くの無償ではありません。義務教育の中学は授業料不要ですが、教材費、校外活動費、給食費、生徒会・PTA費、研修費等はかかります。たとえば東京都立小石川中等教育学校は入学時に制服代等で約14万円、前期課程(中学)3年間で約105万円、後期課程(高校)3年間で40万円(ちなみに、授業料は前述の東京都の制度で無償)、後期の教科書・副教材費が2万~3万円、合計約161万~162万円かかります(2024年)。公立ですから総額は私学より安くはなります。

(文/井上修)

※本文中の学費の目安は「共通アンケート」(学習塾・出版社などが合同で中高一貫校・高校に対して、入試要項、学費、大学実績などを問い合わせているアンケート)にもとづき作成。2025年度は変更される可能性がある。「その他」は、学則で定められたものとそうではないものを合算。

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井上修
進学レーダー前編集長/日能研入試情報室室長 井上修

いのうえ・おさむ/1967年生まれ。91年横浜国立大学教育学部心理学専攻卒業。同年日能研入社。以来継続して入試・学校・教育情報を専門とする。中学受験雑誌「進学レーダー」編集長を経て2024年より現職。著書、雑誌への寄稿多数。

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